相続税の計算の流れ


誰かが亡くなり、その方の資産を相続するときに考える必要があるのが、相続税です。
他の税金に比べて実際に経験する機会が少なく、どれくらいかかるのか、イメージもつかない方が多いかと思いますが、これはどのように計算するのでしょうか?

税金といえば税率のことが気にされがちですが、まずは遺産の整理と計算が先となります。
相続税がかかるかどうか、どれくらいかかるのかも、すべてはこれ次第です。
まずは遺産がどれくらいあるのかを調べてください。

遺産といえば現金や預金、あとは故人が持ち家に住んでいた場合はその持ち家が真っ先に浮かぶと思います。
それらはもちろん遺産に含まれますが、それだけではありません。
そのほかに故人が所有していた不動産があれば、それはすべて遺産に含みます。
土地や建物など、特に活用していなかった不動産ももれなく集計してください。
動産ももちろん遺産に含みます。
動産とは、たとえば自動車、貴金属類、宝石、家具類、骨董品、その他の日用品など、つまりは持ち歩ける故人の持ち物のことです。
価値の高いものはもちろんですが、そこまででもない日用品もすべて遺産扱いとなります。
忘れないように集計してください。

このほか、有価証券、株式、小切手、国債、社債、債権など、換金可能な権利や、支払いを受ける権利など、形のない財産も遺産となります。
これらをすべて調べて、遺産の総額を計算します。
現金や預金はその金額をそのまま使えばいいのですが、それ以外の遺産については、その資産の価値を現金価格に直し、それで集計してください。
なお、不動産や動産など、現金以外の遺産については、その評価額を指定の方法にそって調べる形となります。
これは相続税を計算する側で行う評価となりますが、あてずっぽうの評価はNGとなりますから、注意してください。

このようにすると遺産の総額を計算できますが、この集計で逆に遺産を減らせる項目もあります。
たとえば故人が持っていた借金です。
これも遺産相続の対象になりますが、これがある場合は、これまで集計してきた遺産の総額から、この借金額を除外します。
たとえばこれまでの集計で遺産が1億円あり、新たに故人の借金1000万円分が見つかった場合は、遺産の総額が9000万円に減るわけです。
さらに1000万円の借金が見つかれば、遺産の総額は8000万円となります。
このようにマイナスの資産も遺産に含まれますから、これも忘れずに集計してください。
借金などのマイナスの資産を集計するときは、必ず引き算で計算するように注意してくださいね。

なお、遺産には含めないとする資産も一部にあります。
故人が持っていた仏壇や墓地などの祭具や、故人の葬儀にかかった費用などです。
これらは遺産に含めないでください。
この集計の時点で葬儀をすでに終えており、その費用をすでに支払った場合は、その金額分を遺産の合計額から引いてOKです。

このように相続税を計算するためには、まずは遺産の総額を調べるのですが、故人が持っていた資産や負債をすべて調べるのは、手間となりがちです。
しかしこれが終わらないと、どうしても税金の計算ができません。
相続税がもしかかる場合、支払い期限もありますから、早めにこの調査を終わらせるのが基本となるでしょう。

遺産の総額がいくらとわかったら、いよいよ本格的に税金の計算ができます。
まずは基礎控除を引きます。
基礎控除とは、ここまでは税金がかかりませんよという免除金額のことです。
つまり遺産の総額にもれなく課税されるわけではないのです。

この金額は自分で計算する方式となっており、その式は3000万円+法定相続人の人数×600万円となります。
相続人が1人なら3600万円、2人なら4200万円、3人なら4800万円となりますね。
この基礎控除の金額を、先に集計した遺産の総額から引いてください。
遺産総額がこの基礎控除を超えておらず、計算結果が0になれば、相続税は非課税です。
この基準を超えており、計算結果が0にならないなら、課税対象となりますから、引き続き計算をやっていきます。

このあとの計算ですが、遺産総額から基礎控除を引いた残りの金額が、課税対象の遺産となります。
まずこの金額を、今回の相続でもっとも高い順位となった法定相続人で分割します。
分割する割合は、法定相続分を使用してください。
なお、この分割は相続税の計算上のもので、実際にこのような遺産分けをやるわけではありません。
あくまで計算上の仮定ですから、あまり深く考えないでくださいね。

そしてこの分割をしたあと、それぞれの法定相続人に割り当てられた課税対象の金額に応じて、相続税率をかけます。
相続人が3人いれば、3人それぞれで相続税を計算する形となります。
このあと、全員分の相続税を合計すると、今回の相続でかかる税金の総額が計算できるのです。

この税金を誰がいくら払うのかは、このあとで実際に行う遺産分割の割合に応じて決めます。
分割の割合が決まれば、その割合を相続税の総額にかければ、個別の相続税を計算できるわけです。
相続税の計算の流れはこのようになります。
相続登記まで自分でする場合はこちらが参考になります。